SESの現場面談:前書き
SES、客先常駐をメインにしている会社では避けては通れない「現場面談」。
「現場面談」と言ったり、「顔合わせ」と言ったりします。
研修を順調に終わらせた鈴木くんが初の現場面談に挑みます。
一応、社内でも事前に練習は行なっています。結果はいかに!?
SESの現場面談:本編
おうおう、大丈夫、大丈夫。今日のお客さん先はもう結構うちの会社の人いるから、問題ないと思うよ。気楽にいこうよ!
頼むよ〜!現場いかないとお金稼げないからね!ガンガン前向きに、明るく話してくれれば大丈夫だから。ちゃんと新人って伝えてあるから〜。
■お客様先の受付にて■
お世話になっております、わたくし株式会社JICTの営業高橋と申します。本日、システム部門の佐藤課長にお時間頂いております。お手数ですが、ご連絡お願いできますでしょうか。
■お客様先の個室にて■
いやー、佐藤課長!いつもお世話になっております!本日はお忙しいところお時間頂戴いたしましてありがとうございます。いつも、弊社社員に良くして頂いているみたいでありがとうございます。
いやまあ、いつもみなさんには頑張ってもらっていますからねぇ。で、今日は新人君を、ということですかね。
はい、そうなんです!弊社新人の鈴木をお連れ致しました。研修でも大変優秀な結果を残しまして、それならば、是非佐藤課長にご紹介をということでございます!鈴木くん、ご挨拶を。
株式会社JICTの鈴木と申します。学生時代からプログラムの勉強を始めて、入社後は研修をやりかくかくしかじか・・・(省略)・・・。よろしくお願いいたします。
ほー、そうなんですねー。今人が欲しいプロジェクトはXXXXとかWWWWとかを使ってるんだけど、わかるかな?
(???なんの技術だろう・・・。なんか聞いたこともないな)えー、とすみません、あまりそこらへんの技術には詳しくないです。
いえ、大丈夫です!ご安心ください。まだ若いので、分からないこともすぐにキャッチアップ可能です!ね、鈴木くん!
うーん、なるほどなるほど。ところでこの案件は英語のドキュメントも読み書きお願いするんだけど、そこらへんも大丈夫かな。
え、英語ですか?申し訳ありません、あまり英語は得意ではないので、読み書きはあまり・・・。
いえいえ、大丈夫です!本人はこう言っていますが、そんなに問題にならないと思います。ネットもありますし、英語も問題ございません!
うーん、なるほど。まあ、ちょっと考えて見ますかね。申し訳ないが、次が詰まっているので。また後ほどご連絡しますね。
あ、はい、承知致しました。本日はお忙しいところ、お時間頂きありがとうございました。是非前向きにご検討頂けますと幸いでございます。では、失礼致します。
■面談後に近くのコーヒーショップにて■
あ、はい。緊張しました。よく分からない技術の単語とか英語の話も出てきて結構あせりました。
うん、まあ緊張するのはいいんだけどさー。もっと前向きに喋って欲しいんだよね。知らない単語とか出てきてもさ、せめて聞いたことはあります!とかさ。英語だってさ、とりあえず仕事始めちゃえばなんとかなるでしょ。せっかく案件見つけてきたのにさ、なんか後ろ向きな事言われてさ、断られたらさ、もったいないじゃん。大丈夫なんだよ、とりあえずはさなんでもできる風に言って、あとは現場入ってからなんとかすればいいんだから。
え、そういうものなんですか。すいません、次から気をつけます。
もうさ、とりあえずなんでも出来ますって言ってよ。プロジェクト決まらないとさ、何も始まらないんだから。あー、たぶん今日のはダメだったなー。
(いや、そんな嘘ついてプロジェクト配属されるの怖すぎるでしょ・・・。この人本気で言ってるのか??なんかしかも、怒ってるの??)
SESの現場面談:後書き
初めての現場面談のことは今でも良く覚えています。
本当にほぼほぼこんな感じの流れとトークでした。
営業の人は基本的に技術的なことはたいして詳しくないですし、とりあえず現場にエンジニアを入れないとお金にもならないので、とりあえず現場に入って欲しいんですよね。
自分の売り上げにもなりますし。
とりあえず、プロジェクトに入れてしまえば、あとはなんとかしてくれ!っていうのが営業さんの気持ちかと思います。
でも、実際に働く身としてら、おいそれとあれもできます、これもできます、なんて正直言って怖すぎますよね。
結局、この面談はやっぱりダメでした。
でもいい勉強になりました。これが客先常駐、SES、現場面談なのか、と。
営業の人はとりあえず売り込みたいし、お客様先の面談相手はなんかすごい上から目線であんまりやる気もないし。
あー、これが下請けってことなのかなーと初めて実感しました。
これが、社会人か、と。
このプロジェクトはダメだったんですが、結局最初に決まったプロジェクトは同じお客様先で別のプロジェクトに決まりました。
決まったプロジェクトは実は面談なかったんです。
元からいた先輩社員さんが何人かいたプロジェクトだったので、お客様からしたら、その先輩社員が良いという人なら、別に誰でも構わないって感じだったようです。
(まあ、ような誰でもいいけど、そちらの会社でちゃんと責任持ってやってよねってことですね。)
なので、SESで客先常駐するからと言って必ずしも現場面談があるわけでもない、ということですね。
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